amisuke essay

28歳のふつうの女の子が綴る日常、ヨガ、たび。

いちごのヘタをひたすらとり続けたら

f:id:anmei_anmei:20200425173336j:plain

isefuji farmのよつぼしいちご

ひろくんがいちごピザを作るということで

この大量のいちごのヘタとりを任されたわたし。

赤くて甘くて、そして酸っぱいいちごの香りをかぎつづけながら

ヘタを取っていたら、

ひろくんの前に好きだったひとのことを

思い出した。

その恋は、結婚前の最後の恋だった。

 

その恋に夢中になるつもりは全然なかった。

でも気づいたらわたしは無我夢中。

ハマりにハマりまくってた。

 

今読んでいる本のこの描写が本当にぴったり。

f:id:anmei_anmei:20200425174009j:plain

四月になれば彼女は

恋は風邪と似ている。

いつのまにか、それは始まっている。風邪のウイルスが知らぬ間に体を冒し、気づいたときには発熱しているように。

始まりは、ただの尊敬する先輩だった。

顔がタイプだったかは、わからないけど、そんなに接点のない時点から、

彼の醸し出す雰囲気には惹かれていたと思う。

きっと脳内では”ただの尊敬する先輩”では既になかったのだろう。

接点は急に訪れた。

あるワークをたまたま一緒にやることになった。みんな一斉にやる研修の一つだった。

 

1分間無言で、相手の瞳を見つめる

 

というワーク。

今考えれば、一体全体どんな趣旨のワークなのかさえ忘れたけど、

I belong to you を大切にしているこのコミュニティだから、、、

にしてもすごいワークだな(笑)

 

たった1分で

彼の瞳に落ちた。

 

その1分間はとても永く感じられた。

そしてもっとずっとつづけばいい。と思ってしまった。

大勢の無言の1分間が終わり、周りの雑音が聞こえ始めたころ、

わたしはやばい。と思った。

恋に落ちた時の音をしっかりと聞いてしまったのだ。

 

でも、わたしは同時に知っていた。

恋が始まる瞬間ってわたしだけの独りよがりだって。

いつもそうだ、というかだいたいの女の子がそのはず!

恋のスタートはカタオモイのスタートなのだ。

 

物理的に彼と会う機会はこの出来事以降ないはずだった。

けど、このカタオモイになるはずべき恋をより深い部分までひきづり込んだのは、

まさかの彼の方だった。

 

数日後、

メールがきたのだ。

 

よかったら、今度また会いませんか?

 

って。

このメールの送信先の名前を見たときの胸の高鳴りはすごかった。

送信先を凝視しすぎて、この漢字四文字がたまに夢にも出てきてしまう。

そうして、とてもスムーズに彼と最初に逢瀬したときに、

彼もあの1分間で

わたしの瞳に惹かれた。と言ってくれた。

その言葉を聞いてから、

わたしが彼にどハマりするまでほんの一瞬の出来事だった。

 

この恋の終わりは唐突だった。

だからこそ、

今は最近まで世間で流行っていた曲を聞くたびに

彼を思い出してしまう。

 

自分が思うより

恋をしていたあなたに

あれから思うように

息ができない

あんなに側にいたのに

まるで嘘みたい

とても忘れられない

それだけが確か

米津さんのLemon。

 

わたしはフルーツを思うたびに、

彼を思い出すのかもしれない。

f:id:anmei_anmei:20200425181818j:plain

鎌倉の七里ガ浜